神戸で出会った農家に圃場を見学させてもらう約束を取り付けて1週間後、私は初めてと言って良い丹波の地に降り立った。丹波市の存在はもちろん知っている。が、通過したりして留まることはなかった土地だ。
その農家の圃場は山間部に位置する丹波市の中でもひっそりとした「ザ・田舎」であった。何よりもその圃場のあたりの絶景には息を飲んだ。いつまでも見ていられる。
「ここだ」
これはもう直観のようなもの。しかもこの市島町は有機の里と言われている地域ではないか。オーガニック農家がたくさんいる。その野菜を使ってパンや料理が出来たら最高や。お客さんの喜ぶ姿が目に浮かぶ。何より私が楽しい!
もうその時には直感から確信になった。興奮気味に「また来週来ます!」と農家に告げ急いで帰宅。妻に丹波の素晴らしさをベラベラ喋り翌週一緒に見学した。
その時の妻の決断も早い。
「ここに住も」
即決だ。