うなぎ辻判のケース③

「わかった。じゃあ、うなぎ専門店にしよう」私の提案である。そう、割烹をあきらめてうなぎ専門店にリニューアルするのだ。

「うなぎ・・・、ですか?」若女将の顔色が曇った。

まあ、普通はそうなる。でも、私は口から出まかせを言ったのではなく勝算はあった。

第一に丹波市にうなぎ専門店がない。うなぎをメニューに出しているお店はあるが専門店はなかった。第二に割烹というスタイルの格である。200年間割烹で名を馳せてきた辻判が気軽に入れるお店を経営するのは辻判の名前に合わない。うなぎなら高級感があるし割烹のスタイルを継ぐことが出来る。第三にテイクアウトに対応していること。コロナ禍ではテイクアウト出来る商品は強い。第四に全席個室・完全予約制にすることでコロナ禍での需要を望むことができる。第五に改装費がかからないことだ。ここで費用が掛かってしまうと本末転倒になってしまう。

以上の理由でうなぎ専門店化を提案した。が、問題は女将や大将が受け入れるかどうか?そこのハードルは高いと危惧した。

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